2006年09月21日

横殴り考

MMORPGをプレイするにあたって、時折(というより毎日のように)プレイヤー間で話題にされる「横殴り」という行為があります。横殴りとは、簡単に言えば誰かのプレイヤーキャラがモンスターを叩いていると仮定して、他のプレイヤーキャラがそれに割り込むようにしてモンスターを叩くことです。なぜこれが嫌われるのか、解消方法はないのか、ということについて考えたいと思います。


例えば、現実の世界で、町を歩いていたときにいきなり猛獣が襲い掛かってきたとします。あなたが武術の有段者だったとしても周囲の人に「横殴りしないでくれ!」とは言わないでしょう。「助けてくれ!」「加勢してくれ!」というのが普通です。

ところが、MMORPGの世界ではRaid戦でもなければ「モンスターは、一人で倒しきることができる」ため、モンスターをクリックした瞬間、その「モンスターを倒しきるところまでの未来」を半ば「予約」したような状態になります。クリックした瞬間に勝つと決まっており、経験値が入るまでの時間は言ってみれば通過儀礼。

そうやって通過儀礼を待っている間に、横殴り者という、「予約」された経験値やアイテム取得といった「利権」を脅かす他人が割って入ってくるわけですから、「横殴りはマナー違反」という意識が生まれます。

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これは、以前のPvPやPKを扱ったエントリで話題にした下記のような状況に似ています。


モンスター相手なら、いつまでも自分よりレベルが低いものを相手にしている限りは自分が倒されることはほとんどありませんし、その安心感があるからこそ何百匹と連続して作業的に戦闘することが可能と言えます。「敵に正面から向かっていってクリック連打で自分は絶対にやられない」というのが実は大切であって(というか無意識的に重要視しているユーザーが多いのであって)、PvPやPKというのはそれに基本的に逆らうシステムだから嫌われることが多いのだろうな、というのが僕の予想です。

(ネトゲナウブログ 2006年3月24日「日本のプレイヤーがPvPやPKが苦手な理由は?」)


また、パーティプレイによってモンスターを叩くことと、横殴り者交えてモンスターを叩くことには、モンスターが複数人によってボコボコにされている客観的事実(=コンピュータの判断)に差はありません。
ただし、プレイヤーの意識においてパーティプレイの場合は「利権を分配することを承諾しあった仲」での出来事ですから、これがとりたてて問題とされることはなく、横殴りの場合は、後からモンスター叩きに参加してきたプレイヤーは「予約された利権を侵害する存在」であるため嫌悪の感情をもって迎えられる、ということになります。

どちらかといえば「横殴りされる側の感情・意識の問題」でしかないため、マナーでもエチケットでもルールでも規則でも規約でも法律でもかまわないので「定める」しかありません。しかしながら「予約された利権」自体が至極曖昧なもの(モンスターは誰のものでもなく、叩き始めた途端に所有権が発生するものではない)なので、本来なら「横殴りはOK」で決着すべきものだと思います(明らかに悪意があって、邪魔のために横から殴るというのもあるので厄介ですが)。

公園の遊具を思い浮かべるに、それらは公共のものである故に、独占的に使用するというのは「マナー違反」になりますので、「モンスター=遊具」という立場をとれば、遊具のように独占という子供じみたことをせず「お先にどうぞ」というのもアリな筈です。もしくは横殴りを許容して一緒に叩くか(一緒に遊ぶか)、ですね。

しかし、MMORPGではなぜか「お先にどうぞ」はなく「これは俺の狩ってるモンスターなんだよ」と、独占したいと思う人(先に狩っている人)の道理のほうが強くプッシュされ「横殴りはマナー違反」というローカルルールのようなものが出来てしまいます。

さて、どっちを取るべきか。実生活なら、大人気ない独占、大人気ない横はいりは、どちらもみっともない存在として自重されるものであります。ゲームの世界の中ならOKなのか、ゲームの世界の中でも自重すべきなのか、プレイヤーの「素」が出やすいMMORPG(ロールプレイをしないロールプレイングゲーム)なだけに、迷う部分でもありますね。

ところで、ゲームシステムでこれらを回避する策として、ゲームによっては、ある一体のモンスターを倒した際「ファーストアタックを取り、通算ダメージが多いプレイヤーキャラ」から優先的に経験値、ドロップアイテム取得権を持たせていく、という仕組みを持っていたりします。ただ、これが全てではないので「通算ダメージが多いキャラ優先」「ダメージを与えるごとに経験値付与」「ファーストアタック、あるいはトドメ至上主義」である場合もあります。ゲームの方向性や、そのゲームによってどういうユーザーコミュニティを作り上げたいかという思惑によってマチマチということができるでしょう。

結局、先述のようにコンピューターにとっては「よってたかってモンスターを殴っている」以外の認識はできませんので、順位づけや条件分岐をしていくしかない、ということなんです。どんなゲームシステムにしたって、結局不満が出るのは、やはり「横殴りされる側の感情・意識の問題」でしかないんですね。

こういった背景を呑んで、さて、プレイヤーならどうすべきなのでしょうか?「運営サイドでどっちかに決めて欲しい」という要望をよく受けますが、運営サイドでルールを固めてしまうことで、プレイスタイルをどこまで縛っていいのか、という別の問題が発生します。ルールとして運営が縛った状態で、無意識に(気づかずに)横殴り状態になってしまった場合、あとで責められたプレイヤーは罪悪感を感じることもあるでしょう。なるべく当事者の判断に任せたい、というのはこういうところにあります。
ゲームシステムで横殴り時(複数人数タコ殴り時、が客観的な言い方ですね)にどういう配分形態になったとしても不満が出るのと同じように、運営がそれをルールとして決めても、やはり不満が出るからです。結局どちらかがどちらかの望む解決法を呑む、ということになると思います。

横殴り、ということが話題になってしまうゲームの場合は、これから叩こうとするモンスターをすでに殴っているプレイヤーキャラがいないかどうか、確認したほうがいい、ということだけは言えそうです。個人的には、言い争いになったらPvPで決着つける、というのがいいなぁ。

というわけで、天道オンライン、チェックアップ2ndはPvPで決着をつける男のテスト期間(二回目)です。テストプレイヤーを追加募集しておりますので、我こそは、という方は是非ご応募ください!(そういうオチかよ!)
[ブラキン] [天道] posted by 塩肉(Sionic) at 23:26 | TrackBack(0) | ゲーム
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