2006年09月07日

βテストとは何か

今回、天道オンラインの「チェックアップ」参加募集の煽り文句に、「シロウトご無用!タダゲー厨ご無用!バグ出し義勇兵求む!」とまあ、「タダゲー厨」と見方によっては「過激で低俗な」言葉を使いました。「シロウトご無用!」程度は、よくキャッチコピーなどで使われますし、むしろありきたりだな、とは思っているのですが。

で、「チェックアップ」という言葉自体、現在、一般に使われるにはあまりに変化してしまった「クローズβテスト」という言葉への皮肉を込めています。これまでの業界の通例で「クローズβテスト」と呼ばれているのに、わざわざわかりにくい呼称にすんな!と思われる方もいるかもしれませんが、ちょっと今日はそのあたりについて書いてみたいと思います。何故「タダゲー厨ご無用!」なんて書いたか、そのあたりでなんとなくご理解いただければ。

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βテストの位置づけ、変遷

簡単に言うと、ここ3〜4年で下記のような変遷があったわけです。

<創成期>

【メーカー】
特にMMOタイプのゲームは多人数が接続すると、シミュレーション(サーバーに高負荷をかける)とはまた違ったトラブルが起こる恐れがある。限定人数を募り、一般に開放せずに(クローズ)テストをしよう。また、サーバーを開放(オープン)する前に、ユーザーからの意見を吸い上げて質を高めよう。

【ユーザー】
これから始まる新しいゲームを体験するとともに、開発の一環であるテストに参加しよう。意見を吸い上げてくれるなら、何か採用される可能性もあるし、ゲームが発展していく様を間近で見たい。



<オープンテストがプロモーションに有効になってきた期>←長いよ!

【メーカー】
サーバーをオープンしたら、多く流入してきたユーザーによってクチコミ効果が生まれ、いい宣伝になった!月額課金モデルで正式サービスするためには、これらで獲得したユーザーのロイヤリティ(主に、アイテムや長期プレイによる優位性)を高めていこう。

【ユーザー】
月額料金のゲームだが、今なら無料で遊べ、正式サービス後も特典がつく。テストということで不具合もあるだろうが覗いてみよう。→面白かったので正式サービス後も遊んでみようと思う。



<無料ゲーム大漁期>

【メーカー】
正式サービス後も基本無料となると、クローズとオープンの違いは限定人数かどうか、ゲーム自体の仕上がりがどの程度かの差。もともと輸入ゲームはある程度完成されており、今更テストといってもそうそう濃いレポートが集まるわけでもない。ライバルゲームも多いため、クローズテストに参加するユーザーをガッチリ正式サービスまでフォローしていったほうが得策。

【ユーザー】
クローズもオープンも限定人数の有無くらいでそう変わらない。参加して、糞だったら次のゲームに行けばいい。他にネットゲームはいっぱいある。アイテム課金なら後でも無料なので今すぐやる必要もないが、いつやっても無料なら先にやってみる価値はある。


βテストとは何なのか

あまりにも当然のことを書きますが、もともとクローズβは、潜在顧客の囲い込みのためにしていたわけではないんです。テストをするにはあまり人数が多すぎてサーバーに負荷がかかりすぎる(調査用にログをすごく吐き出す必要がある)等の理由で限定して集めるというのが本意。

で、クローズβで出たバグや、ロードバランシングの目安を元に、正式サービスと同じ機器環境、運営環境(GMの動き方、問い合わせの捌き方など)で進めるテストがオープンβ。もちろん、そこでも不具合などは大量に発見されるため、あくまで「テスト」という位置づけ。

そんな中、次第にオープンβが「プレイヤーにとっての先行者利益」を種として、正式サービス後のユーザー獲得につなげるというプロモーション的側面は、大きくなっていきます。これは月額課金モデルのゲームが大半だった2〜3年前ではごく当然のことだったんです。いきなり月額1500円〜3000円のゲームを突きつけて「さあ、やれ!」というのは難しいですから、正式サービス前に体験してもらう期間があるというのは非常に都合が良いわけで。

その状況が続けばよかったのですが、ここ1〜2年で「基本無料、アイテム課金」というゲームが大量に出てくると、ニュアンスが変わってきます。「後でやっても無料であることには変わらない」ので、クローズβやオープンβについて、無料でできるというメリットが薄れてきたからです。かわりに、これらの参加者に対しては、何らかのプレゼントや、正式サービス時に役立つゲーム内アイテム類の配布等のメリットを付加することが多くなりました。

「先行体験」というメリットは残っていますが、少なからずクローズβのバージョンはバグもそれなりに出ますし、運営ノウハウも新しいゲームの特性に合わせて試行錯誤も続きます。正直、テスト期間はプレイヤーにとっては至極マゾい。どうして時間を削って参加してまで、不具合満載のゲームをさせられなければならないのか、そういう苛立ちが出て当然の期間。そういう中でテスト期間にプレイしようというからには、ゲームプレイへの意欲や、ゲーマーとしての使命感、ゲームそのものへの期待etc...など、心情にもとづく理由があると思います。バグや不具合と向き合い、運営にレポートや意見感想を送ってゲーム作りに参加していこう、という意欲がないとなかなか参加できないんじゃないかなぁ、と。

というわけで、基本無料のゲームであっても、テスト期間にはそれくらいの参加意識がなければ成り立たないことには変わらないはずなのですが、運営企業が「正式サービスより先に(無料で)でき、しかも特典がある期間」というプロモーションとしての側面を重視しながら走ってきてしまった結果、テスト期間、不具合を発見して調整する期間、という意味合いを意識しない人々も数多く参加するようになってしまったんだと思います(例えばいつまでmixiはβバージョンなのか、というような「βの形骸化」にも似ています)。


メーカーとプレイヤーの意識のねじれ

そのあたりの「ねじれ」を感じずにはいられないのですが、だからこそ、真摯なプレイヤーがいる横で、「なにこのクソゲー、続けるやつバカじゃねーの? ほかのゲーム明日からクローズだから、そっちいこう〜」というのを大声でやられてしまうと、未来もヘッタクレもなくなってきます。
そういうのを「シロウトご無用! タダゲー厨ご無用! バグ出し義勇兵求む!」というキャッチコピーで「テスト期間への意識のねじれ」に、ちょっとでも気づいてもらえたら、という願いがあったりします。

「チェックアップ」「ブラッシュアップ」という呼称も、テスト期間を単純な「先行特典プレイ期間」にしたくないがために、わざわざつけた名前です。業界の通例に従う従わないという観点は既にありません。
クローズβという言葉を使うともはやテスト期間としては認識されないことが多い、だからです。近くでは「アニス&フリッキー」が「X-TEST」という名称でテスト期間を開催しますが、そういった理由もあるのかもしれませんね。
クローズ、オープンのほうがわかりやすいのは百も承知ですが、その言葉を使うとテストにならないのではないか、いわゆる「テストであることを理解しないタダゲー厨」が押し寄せた挙句、発展途上のものに対して糞だのなんだの暴言だけ撒き散らして去っていくのではないか、という危惧があったりするわけです。

元はといえば、テスト期間がプロモーション期間へと変遷していくのを、折を見て軌道修正していくことができなかったという歴史にも問題があるのかもしれませんが……。

こういう混迷の世の中では(いや、チェックアップという言葉で混迷させているのはハイファイブだろう、というお叱りは置いておいて)、ちょっと乱暴ですが定義(共通認識)を、メーカーもプレイヤーも改めて持たないと難しいのではないかと思ってしまいます。

例えばですが……

「クローズβテスト」
限定人数で、バグや不具合を発見、検証、修正するためのテスト。運営よりもゲーム部分の問題点解決が優先。

「オープンβテスト」
クローズβ期間で発見された不具合を解消した上で、人数を限定せず行うテスト。テスト内容はゲーム部分とともに、運営にも比重。正式サービスとの違いは課金のためのシステムがあるかないか。


もちろん、タイトルごとに特徴があるので、テストを実施するごとに「このゲームのテスト目的は○○」と明示していくことも重要だと思います。

天道のチェックアップは、他社でいう「(プロモーション込みの)クローズβ」とは違い、本当にバグ出しになっていくと思います。
長く書き散らしてしまいましたが(しかもまとまってない)、本当に「バグ出し義勇兵求む!」です。よろしくお願いいたします。

天道オンライン
[ブラキン] [天道] posted by 塩肉(Sionic) at 12:57 | TrackBack(2) | ゲーム
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