2006年03月24日

日本のプレイヤーがPvPやPKが苦手な理由は?

韓国製のMMORPGにはほとんどPvP(Player vs Player)、PK(Player Killing)が備わっていて、RPGをやりながらも対戦ゲームとして機能するようになっています。これは韓国製ゲームの「標準仕様」のようなもので、ゲームの世界観やキャラの雰囲気に関係なくマーケティング視点で必要なので実装されているというのも一部真実のように言われていますね(対戦機能が入っていないゲームは売れないとまで言われたりすることもある)……。

PvPやPKに関して、実際ゲームの機能としては別に否定するようなもんではないわけで、むしろ「世界観との整合性」「プレイ文化」にきちんと包み込まれる内容だったら、何の危惧もないんじゃないでしょうか。
けれど、どうしてもPvPやPKというものについて語られる際に、「弱いものイジメ」「俺Tueee主義」みたいな印象が先行しており、なんとなく日本のプレイヤーには合わないものというイメージがあったりします。

そんなわけで、PvPやPKが日本のユーザーにやや受け入れられない理由、嫌われる理由を考えてみたいと思います。でも、本当は受け入れられてないわけでも、嫌われているわけでもないんです。そういうことが見えればいいな、と。

まず、世界観との整合性について書きます。これは、PvPやPKというものを実装するときに、プレイヤーが「何故自分が人を倒し、殺めなければならないのか」と思い悩む(?)理由について、ゲームのストーリーやシステムがそれを与えなければならないということです。またこれは同時に、相手プレイヤーに倒されたときに「何故自分がやられなければならないのか」という疑問への納得要素にもなります。

例えば、別ジャンルで考えてみると、シューティングゲームで敵を撃つことに何の躊躇もないのは「そういうゲームだから」というのもありつつ、「異星人がUFOで攻めてきた! 君はまだ訓練中のルーキーだったが、天賦の才能を見込まれ、急遽パイロットに抜擢。人類の存亡を懸け、最新鋭戦闘機でただ一人出撃する……。」というようなストーリーがあって初めて敵を倒す理由が与えられるわけです。これによって人類の存亡がかかっているのだから、目の前の敵にガンガン弾をブチ込むことになんの躊躇もなくなるという(大げさ)。
「そういうゲームだから」というのはMMORPGに置き換えれば「PK機能があるから」ということになるんですが、スタンドアローンのシューティングゲームと違って、MMORPGは対戦機能がついているからといってすぐさま他のプレイヤーに殴りかかってしまってはトラブルの元です。本来はトラブルになるほうがおかしいのですが、トラブルになってしまうのは「やられることに納得できない」からだと思うんですね。
MMORPGにおいて、これがネトゲである以上「機能があるからPvPする、PKする」というのではイマイチ足りません。やられるほうにしてみれば納得できません。「機能があるからぶっ飛ばすッ!」なんて、そんな小さい理由で俺に刃を向けるなと(笑)。

本来のRole Playingがプレイヤーによって適切になされているのであれば「オレは生まれながらの殺し屋で、それしか知らずに育ってきた」というゲーム内人生を歩んだり、「この剣が血を欲しがってしかたがないのだ」と言ってみたり、ということで人に殴りかかる理由を自分にも他人にも納得させることができると思うのです。
しかし、大抵のプレイヤーはRole Playingをしていなかったり、Role Playingに対する理解がどういうわけか無かったりするので、演じている、という言い訳は(RPG内では至極まっとうなものにもかかわらず)なかなか通用しないというのが現状です。

ですので、ゲームの流れとして(システム、ストーリー問わず)、「日に三人を手にかけなければ、最愛の人を失うという魔法をかけられた」とか「一日一殺教団に入信して内偵するクエスト(アブねー)」とか、ゲームらしいアプローチかつストーリー背景に沿った形でプレイヤーそれぞれに殴りかかる理由、殴られる理由を与えてほしいんです。

PvPやPKを受容するプレイ文化というのは、単刀直入に言えば「やってやられて当然の世界でプレイしているという意識をプレイヤー全てが持つこと」につながるわけなのですが、どうもこれがうまくいっていないゲームが多いんだろうなぁ、と。


次に「プレイ文化」ですが、これにも2点ポイントがあって当然のことながら「PvP、PKを受容するプレイ文化」は重要なんですが、もう一つは「キャラコントロール意識」をどうやって育てていくかです。「キャラコントロール意識」の重要性についてはプレイヤーのみならず開発サイドにも必要だと思うのですが、これは「MMORPGをプレイしている多くのプレイヤーはそんなに上手にキャラを動かせないのではないか?」という観点に立つことで見えてきます。

大半のMMORPGというのはゲームでありながら、その進め方や解法にそれほど指さばきやらアルゴリズム記憶だとかを必要としません。プレイヤースキルが必要ないんです。行きたい場所をクリックすればそこに向かってキャラクターは歩きますし、モンスターがいたらそれをクリックすれば勝手に剣を振ります。その簡易さ故に敷居も低く、プレイヤーの裾野も広くなるメリットがあります。(かなり簡略化した説明をしています。もちろん、ゲームによっては細かく動作が変わってきます。)

ところがこれにPvPやPKのシステムを導入すると、そもそも「クリックして相手を倒す」という一動作しかないわけですから、切れ目無く剣を振るためにクリックし、隙を見て高いダメージを与えられる魔法のアイコンをクリックをするだけで勝敗が決したりします。攻撃を避けるために方向キーを押す必要も、ガードをするために攻撃が当たる瞬間にレバーを進行方向と逆に入れる必要も、強力な攻撃を繰り出すために「↓→PPK」なんてことをする必要もありません。こうなってくると、強い剣を持って強い魔法を使えるキャラに強い鎧と強い盾を持たせれば負ける気がしなくなってきますね(笑)。

こういうゲームシステムにおいて、やられる側からすれば、対戦相手というのはモンスターに比べて「ちょっとやそっとでは倒せないし、しつこくおっかけてくるし、暴言も吐いてくる」厄介なキャラ。そしてできるだけそんなヤツとは戦いを避けたい、ということになります。「クリックだけで敵を倒せるからプレイしてたのに〜」と明確に表現する人はいないと思いますが、少なからず、クリックだけでモンスターを倒せるという気楽さ、敷居の低さが魅力ででプレイしていたのに、そんな面倒な奴が出てきたら、やる気が無くなってしまうのも理解できます……。

モンスター相手なら、いつまでも自分よりレベルが低いものを相手にしている限りは自分が倒されることはほとんどありませんし、その安心感があるからこそ何百匹と連続して作業的に戦闘することが可能と言えます。「敵に正面から向かっていってクリック連打で自分は絶対にやられない」というのが実は大切であって(というか無意識的に重要視しているユーザーが多いのであって)、PvPやPKというのはそれに基本的に逆らうシステムだから嫌われることが多いのだろうな、というのが僕の予想です。

ですので、キャラを上手くコントロールすることにより、「避けることができる」仕組みを導入することはけっこうPK、PvP文化が発展するのに必要なんじゃないかと思うのです。
対戦格闘ゲームでは基本のキの字である「三すくみ」の形。グー・チョキ・パーですね。これが、クリック一辺倒だと実現できないわけですが、例えば以下のような単純なパターンを加えるだけでも、相当戦闘が面白くなるんじゃないでしょうか。
・攻撃体勢(すぐ次の攻撃に移れるが、スキが大きく、食らうと100%ダメージ)
・防御体勢(防げるが本来のダメージの30%は必ず食らい、硬直時間がある)
・回避体勢(確率は低めだが回避できれば0%、できなければ100%ダメージを食らった上に硬直時間がある)
上記はモンスター相手でも単純かつ充分面白いと思うけど……。つってもこんなことは昔から言われているわけで、たいして偉そうに言うことではないですが……。

そういった仕組みが導入できない場合、ゲームシステム上「nレベル以上の差があるキャラとは対戦できない」なんて条件が設定されたりしますが、ゲームだからこそレベル差を「ハンデ戦」のような形で吸収して対等に戦えるよう調整する(補正をかける)というようなところがあれば、ちょっとは変わるかなぁ。

とまぁ、とりとめもないことを考えつつ。操作を難しくすればそれについていけないプレイヤーが出るのはわかるけど、やられっぱなしがイヤで辞めたくなっちゃう人もそれなりにいるんじゃないかと思う塩肉でした。
[ブラキン] [天道] posted by 塩肉(Sionic) at 20:03 | TrackBack(1) | ゲーム
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[MMORPG全般] MMORPGにおけるPKとPvP
Excerpt: うう、書きかけの記事が一個トラックバックで飛んだかも^^; ハイファイブ、エンターテイメントの澤社長のプログ、ネトゲプログナウに2つほど記事が追加されています。 まずはPKとPvPについて..
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