2006年01月16日

GMを貫く君へ

転職と脱ネットゲームを目指すゲームマスター
http://blog.livedoor.jp/accounting_vip/

上記blogは、ネットゲーム企業に勤務するGame Masterである青年が記述しています。僕が辿った道とはまた違う立場で、GMという「職」について、興味深い話が綴られています。

これを読んで、誤解の無いよう。労働条件や環境について、必ずしも一例が全てではない、ということです。少なくとも、時給800円換算でGMの月給を決めるようなことは自分はしませんでしたし、社員やGMが、ユーザーを馬鹿にしたりすることでプライドを保つなんて愚かなことはしていませんでしたから……。

僕が社長を務めていた会社については、労働環境やら条件やら、「しがらみ(笑)」やらについてベラベラ書くわけにはいかないので(今も頑張っている社員がいるわけですし)、今回は上記のblogを読んでみて、曲りなりにもネトゲ企業の経営者であった自分の考えを書いていきたいと思います。

ニートになりそうなGMに贈る、ニートになったネトゲ社長からの、戯言です。


まず、GMという職業の社会的地位についてです。正直、低い、気がする。気がするというのは、同じGMという呼称をしていても、各社の職務内容が違うからです。何故低く見られるか、それは誰が考えても下記のような感じになってしまうのではないでしょうか。

「ゲームやって給料もらえるなんて楽な商売だな」

最近は日本でもe-Sportsという形でプロゲーマーを応援する体勢が整いつつありますが、まだまだ、ですね。それは「ゲームは何かの模擬」だからという根本的な部分の認識にすれ違いがあるからです。乱暴な言い方ですが、サッカーが上手な人と、ファミコンのサッカーゲームが上手な人と、どっちにお金を出す?という認識程度での判断しか世間は持っていない、と言いましょうか。

同様に、ゲームというのはシビアなエンターテインメント業界にあって、ほとんどの人が何らかの形で触れている分野であるにも関わらず、それに対するスポットライトというのは、なかなか当たりません。いや、エンターテインメントが興行であれ演芸であれ映画であれ音楽であれ、何でも、それを支える人々のことは表に出ないものなのです。

何故って、映画や音楽で一般の人が触れるのは俳優や歌手という完成物(あるいは表に出す専用のもの)でしかないように、ゲーム業界も「ゲーム」という完成物が一般の人に触れる接点であって、それ以外の部分は本来出すものでもないからなのです。

しかし、ネトゲは違うと僕は思っています。ゲームは主役というよりむしろ舞台であり、その上でプレイする人々それぞれがゲーム以上に主役の位置にいて、また「運営」は、通常のエンターテインメントと同様に主役を支え、引き立てなければいけないんです。
演劇で、舞台の上の主役はスタッフの顔を知っています。それと同じように、ゲームの中の主役であるプレイヤーからも、スタッフである運営者の顔を知ってもらわねばならないんですね。

だから、GMに対して「ゲームやって給料もらえるなんて楽な商売だな」という世間の認識、いや、業界でさえ持つそういった認識があるとするなら、変えていかなければなりませんし、GM自身についても、ゲームをやって給料がもらえると簡単に思っているような人は、書類審査で落とすとか面接で落とすとかして、ふるいにかけていかなければならないと思うんです。

「厳しくしたらネトゲ企業になんて誰も就職しねーよ」なんていう悪口も聞こえてきそうですが、それは悪口を言う人がその程度の見方しかしていないし、ネトゲ企業ももっと印象の向上に努めるべきでもあるわけです。

先のblogでは、あまりよろしくないと思われる賃金、労働条件(勤務時間、休日等)、先輩と自分との関わりなどに触れていますが、総じてそれをどうこうしてやろう、ということで告発まがいのblogを書き始めたというわけではないようです。
下を見るのがイヤだから、せめて同じような人を作り出さないように、と淡々と書き綴っています。


業界で活躍していくGM達に。プレイヤーのそばで、いつもプレイヤーが楽しくゲームができるように支えるというのは非常に難しいことだし、それが達成できるならそれが世間に理解されなくても、胸を張れる仕事だと思うよ。

そして、その仕事を難しくしているのは、悲しいかな、そういった理想を二の次にする人々であり、それはネトゲ業界の中核、それもGMの現場にたくさん存在するということなんです。逆に考えれば、理想を阻む障害はそれにしか過ぎないんです。

企業という枠組み、勤務体系の違い、過酷な労働、無理解な上司、いずれがあろうと、自分の職務自体に卑屈になってしまっては前に進めません。職場の愚痴は、どんな企業に勤めてたって出ます。でも、仕事に対しては、忠実に、忠実に、と思うのです。

厳しいのはどんな仕事でも当然。blogの彼が、賃金はじめ職場環境や人間関係がイヤで辞めるというならそれは仕方ないと思います。でもネトゲGMという仕事を嫌いになって辞めることになったら、それは悲しいことだと思うんです。そう思わせてしまった職場があるなら、同じ業界として、悔しい限りですが……。

blogの彼の職場では、おそらくそういう経営者と彼との間に、言葉を曲げる中間管理職やら先輩やらが多いのでしょう。
僕は以前、「おまえら、ゴチャゴチャ言うくらいなら隣の小学校からガキ連れてきて、マニュアルどおりやらせて小遣いやったほうがまだよく働くわ!」みたいなことをGM達に言ったことがありますが、その言葉の真意が直接伝わるメンバーなら、自らを律して、良い「接客」をGMとしてこなしていこうと努力すると思うんです。

でも、理解が足りないまま言葉を曲げてしまう中間管理職がいるような職場ではさっきの言葉を受けたとして「要するに連中はダメってことか」というつまらない結果論をもって、現場のGMを評価するんじゃないかなぁ、と思います。
なんというか、経営者は金勘定をきちんとやって、それを元に中間管理職が「勝手に良い翻訳をして」現場に対して檄を飛ばすようでなければ、自らの墓穴を掘るようなものですから……。


とまあ、いくら理想論を語っても、blogの彼の職場が変わるわけではないんで、このあたりにしたいと思います。

自分も、仕事をやってて環境とか辛くて愚痴ったり頭おかしくなったりしたことあるよ。18のときから大学通いながら働いてて10年ちょっと経つけれど、これまで3回くらい、すごく落ち込んで卑屈になったことがあった。自分の日記の何年か前のころにも書いてたし。でもその度に割り切り上手になったというか、ネトゲの運営やるころには、強くなったというか、たぶん同じくらいのストレスではヘコまなくなってたんだよね。

そうそう、最後に。例えば自分の経営する会社の社員がこういうblogをつけていたとして、自分はどうするか。クビにする前に、社内で何が問題となっているのかを炙り出します。そして、そういう職場環境にしてしまったことを反省しつつ、守秘義務に違反する内容が書かれていた場合については、それのみについて問おうと思います。
なぜなら、人の愚痴に限って言えば、事実と相違のある内容であるなら放っておけばよく、事実であるなら改善された時点でその事実が記されるでしょうから、これも放っておけばよいのです。

ただ、アレだ。エンターテインメント企業に勤める者が、他人が面白く思わない文章をグダグダ書いている社員がいたら恥ずかしいので「せめて社長のブログより面白く書けよ?」くらい言うかもしれません(笑)。

駄文書くのが日課みたいになってる塩肉でした。
[ブラキン] [天道] posted by 塩肉(Sionic) at 19:41 | TrackBack(3) | ゲーム
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