2005年12月16日

BOTとnProtectとグループ企業

ついに本気? ガンホー,ROに不正対策ツールを導入(4Gamer.net)
BOTオンライン終了m9(^Д^)プギャー(BOT NEWS)

さて、日本で最大手のオンラインゲーム運営会社といえばガンホーさんです。そしてやはり最大級のオンラインゲームはガンホーさんの「ラグナロクオンライン」であります。そのラグナロクで先日、抜本的な不正対策として、『nProtect』ソリューションを導入したということが、プレイヤー達の間でちょっとした話題になっています。

---------- 以下、解説につき知ってる人は読み飛ばそう! ----------

ラグナロクのプレイヤーの中に、不正行為(キャラクター自動操縦、ゲーム内貨幣を増やすなどのインチキ)を働く者がいます。彼らが使うインチキプログラムをチートツール(cheat=だます)といい、その中でもとりわけキャラクターの自動操縦プログラムをBOTツール(原義については、ROBOTの省略形など諸説あり)と呼びます。これらはラグナロクオンラインをプレイするときに同時に起動させるものもあれば、ゲーム自体を起動しなくても、チートツール自体が「ラグナロクのプログラムですよ〜」と擬態してサーバーと通信を行うようなものもあります。

このようなインチキが横行している一つの原因に「RMT市場」というものがあります。RMTというのはReal Money Tradeの略で、オンラインゲーム中で使用するアイテム(自分のキャラクターに持たせる武器やそのほか有利になったりする物品)や、仮想通貨(ゲームの中で使用するお金で、ゼニーという単位です)を、現実の現金と交換することです。

上記2つは別々の現象ですが、これらを組み合わせると「インチキをして大量に取得したアイテムや仮想通貨を他人に売りつけることで現金を儲ける」図式が成立しますので、ラグナロク内で非常に流行していると言われています。


そういうこともありますので、不正行為の取り締まりはラグナロク始まって以来、さまざまな方法で行われてきましたが、抜本的対策、インチキの根絶には至らず、ユーザーの間では「インチキやってる奴も『客』だからわざと見逃しているのではないか」「いやいや、もっと悪質で、運営側の中にインチキをして小銭を稼いでいる奴もいるのではないか」と根も葉もない噂になることもあったほどです。

そんな最中、先日、ラグナロク運営側がユーザーに対して配布しているゲームプログラム内に不正を助長するファイル(ゲームプログラムにインチキのスキを与えるファイル)が含まれていたことが明るみに出ました。これにより、ネット上で配布されていたものは改修、店頭に並んでいたパッケージ版についても回収(脚韻踏んでみた)というちょっとした「事件」が発生したのです。


この事態を重く見たのか、インチキ廃絶に関する対策が一気に進み、ラグナロクはインチキ防御ツール『nProtect』を導入するに至ります。このnProtectについて、簡単に説明いたします。

nProtectは韓国INCA INTERNET社が提供しているインターネット対応型汎用防御ツールのブランド名です。nProtectには、個人のPCにインストールしたり、企業内で使用したりするアンチウィルスソフト・ファイアウォール的ソリューションのほか、Webサイト→個人PC間の通信を守るものなどのほか、オンラインゲームサーバーと個人PC(クライアントソフト)間の通信が改変されないよう、またクライアントソフトが故意に書き換えられたり、同時起動するソフトウェアによって干渉されたりしないようにするものなどがあります。オンラインゲームで言うnProtectは、後者のものです。

nProtectの導入によって、これまで使われていたインチキツールはあらかた排除され、これによって不正行為者がアクセスしづらくなり、全体的なアクセス数が低下したそうです。
また、ゲームプログラムと同時に、nProtectという比較的頻繁にCPUの動き、メモリ内、通信状況をチェックするソフトが稼動しているわけですから、必然的にプレイヤーのパソコンのスペックによっては動きが重く感じられたり、不正でないソフトウェアまで叩き落される(他のソフトウェアを強制終了させるという、必要悪ではありますがお行儀の悪い側面もnProtectにはあります)という事態が起こっています。

---------- 以上解説おわり ----------

さて、そういった経緯についての詳細な説明はいろいろなサイトさんやblogでやっているので、そちらを探していただくこととし、ちょっと変わった視点から書きたいと思います。
nProtectの個人向け、あるいは企業内使用のためのものについては、日本にいくつか代理店があり、ネットムーブ社やメトロ社が販売・営業しております(グーグルでnProtectを検索すると上位に来ますので、こちらはよく知られています)が、オンラインゲーム向け導入の販売・営業(ゲーム運営企業に対する営業)をテクノブラッド社がしていることはあまりプレイヤーには知られていません(テクノブラッド社沿革の2005年6月のあたりをご覧いただければわかると思います)。

はい、そこでテクノブラッド社の経営陣を見てみます。すると……!!! グラビティー(ラグナロク開発元)の柳日榮氏が会長を務めているほか、副社長にガンホー会長も兼務している孫泰蔵氏、BB Games(モビーダ)社長の国枝氏が名を連ねていることがわかります。

「ガンホー」「グラビティー」「nProtect」「テクノブラッド(経営陣)」これらを結ぶと、「ゴールドラッシュで一番儲かったのは、金鉱を掘りにきた人よりも、そこでスコップとジーンズを売っていた人」の例えに倣い、「金鉱(ラグナロク)を作り、入場料も取り(ガンホー)、スコップやジーンズ(nProtect)も身内を通じて売る」という体制が見て取れます。これがグループ企業のスゴいところなのです。(スコップやジーンズにあたるのはnProtectに限らず、ソフトバンクグループから出版される攻略本や、ガンホー資本のブロッコリー社が提供する各種グッズなどに置き換えてもいいのです)
インチキを野放しにしても収入が得られ、インチキを取り締まっても身内が営業する防御ソリューションが売れてしまう。到底真似のできないことですし、こうやってビジネスってやるもんなんだなぁ、と戦慄を覚えてしまう塩肉でした。

さんざんBOTだのインチキだのと話題を振っておいて、強引にこんな話題にもってきてしまうところがネトゲナウクオリティwwwww

さて、今回棚上げにした「RMT」や「BOT」やそこら辺の話題については、また近いうちに書いていきます。以前に書いた「塩肉ぶろぐ」でも似たようなことはいくらも書いているので、どうぞご参照ください。
[ブラキン] [天道] posted by 塩肉(Sionic) at 13:26 | TrackBack(3) | 業界トピックス
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